ひとつ屋根の下の愛情論
第12章 沈殿する記憶と思い
「ちょっ、律夏先輩――――弟君!どうしたっすか?食べられないもんでもありました?」
恐る恐るトイレの扉をあける木戸が心配そうに覗き混む…
「あっ――――~大丈夫だ、悪いがタクシー呼んでもらえねぇ~か?帰るから」
「りょ、了解っす!」
木戸が出ていくのが分かった。
「――――りつか…っ……ごめん…ごめん」
「謝んな――――…帰るぞ」
――――///キュン…とした…
あ…ちょっと…命令口調だ…
やっぱり――――俺は変態だ…
たったひとつの“帰るぞ”って言い方に…俺は…胸が締め付けられた。
怖くて――――…震えているのに…
俺は…こんな時だって――――最低な…変態野郎なんだ…