ひとつ屋根の下の愛情論
第13章 膨れる危欲感
「ハァハァ…うっ…うぇ――――…ハァハァ…」
ひたすら…恐怖に怯え吐き続ける秋音の後ろ姿は…
美しく――――壊れそうだ…
願掛けで伸ばし始めた髪も――――…いい感じに伸び…頬でサラサラと動く…
うなじもは襟足で隠れ――――…指で掬わないと見えないくらいになった…
その普段見えないうなじや首もとが、冷や汗で…髪が首筋に貼り付き――――…見え隠れする。
あぁ…その首筋に歯を立てたら…お前はどんな声で泣くんだ?
長く伸びれば伸びるほど…男性的な身体のラインや喉仏とのギャップが俺の中でごちゃ混ぜになって――――…
お前と言う“男”を欲してしまうのに――――…
唯一――――無二の…“男”と…なるだけなのに…