ひとつ屋根の下の愛情論
第1章 強制的自立
父が――――再婚して早くも5ヶ月がたった。
しかも、バツイチ子持ちの…女性と…
若くして子供を産んだ彼女には大きな息子が二人もいたが、長男は元旦那が引き取り…次男は彼女が引き取ったとのこと。
次男といっても――――…すでに、成人し家も出て独り暮らしを初めているらしく…
実質、両親と俺の三人暮らしが始まった。
――――しかし、
そんな浮かれ気分の3月のある日…高校3年へと進級を目前としたある日の事。
「――――秋音(しゅうと)…申し訳ないが…4月から、名古屋に転勤が決まった」
「は?名古屋?は――――?!名古屋!」
近場の移動は、時折あったが…名古屋支店の支店長を任されることになったらしい。
しかも、2年――――…支店長を勤めさらに成績を上げたら…本社の重役席が待っている…と、言う…父の会社独自の出世ルート確定と言う!
「4月から秋音は高3…大学受験が控えている大事な時期だけど…2年――――2年…で帰ってくるから!頼む!その間、この家を頼む!」