ひとつ屋根の下の愛情論
第15章 炎の願い
秋音の文化祭に遊びに来た俺は、早々にアイツのクラスに向かった。
3年の教室のある階は、高校最後の文化祭を満喫する熱がダイレクトに感じられた。
「なつかしぃなぁ~…俺もこんな時代があったなぁ」
喫茶店のクラス、小劇場を披露するクラス―どれも呼び込みに必死だが皆楽しそうだった。
文化祭が終われば――――嫌でも“進路”を意識せざる終えない…
しかも、大学受験を控えている奴らはここを境に切り替えを上手くしないといけなくなる――――…もう、わき目などできないのだから。
「お――――あった、あった…秋音のクラス」
ファンシーな喫茶店を通りすぎると…一気に世界感が変わり、おどろおどろしくなる。
お化け屋敷をやると言っていた秋音の運転クラスが周りを巻き込み…別世界を演出していた。