ひとつ屋根の下の愛情論
第15章 炎の願い
「いらっしゃいませ!――――怖いっすよ~!」
気合いの入ったゾンビメイクの男子に声をかけられる。
「マジで?俺――――お化け屋敷にはうるさいぜ!」
「おおお~…お兄さん、行ける口っすね?良い子(オバケ)揃ってますよ。
口の大きい子(口避け女)とか、永遠の幼女(トイレの花子さん)とか、びちょびちょ乙女(雨女)とか――――襲われ放題っす!」
オバケを独特の表現で紹介するそのゾンビに笑ってしまう。
「きみ、面白いね――――…まさか、風俗の呼び込みバイトとかしてないよね?」
「///してないっすよ~!」
ゾンビはチラシを俺に渡すと案内するかのように受け付け前に向かう。
「あ~そうそう、福田 秋音は?中にいた?」