ひとつ屋根の下の愛情論
第26章 【番外編】遅かれ早かれ…?
普段の律夏は、スーツ姿である…
まぁ、塾講師なのだからスーツではなく私服でも全然いいのだが…
「一応――――仕事だからな」
と、スーツを仕事着に選んでいる。
「真面目か…」
と、突っ込んでみるが…律夏は笑うだけだ。
「なぁ――――俺もスーツ着てみたい」
「は?――――これを?」
律夏は自分の着ているスーツを指差し「ん?」と、首をかしげる。
「俺もいつかは就活するんだ…遅かれ早かれスーツは着るんだから…別に――――変じゃないだろ?」
中学も高校も学ランだった俺からしたら…スーツは大人なイメージ。
「遅かれ早かれって…大学に入ったばっかりだろ?」
「いいだろ?着てみたいんだよ」
ど~考えても…律夏のスーツは俺には大きいと思うが…ちょっと袖を通すぐらいいいよな?