ひとつ屋根の下の愛情論
第5章 背中の温もりとか…
――――ふぅ…暖かい。
このまま…このまま――――…包まれて…いたい。
体がフワフワしてる…最高だ――――…
あ~…確実にこれは”夢“だと思った。
疲れてる、勉強もそこそこに先に寝た俺を――――アイツはふて腐れながら見てそうだな…
しかし、暖かい……この温もりに…
俺は幸せを感じていた。
――――…ん?
重い瞼をうっすら開けると
珍しく…客間の電気が消えていた。
いつもなら、部屋の電気を消さないで起きている秋音だったが…今日は何の気まぐれだ?
と――――…背中に熱を感じる…
細くて…華奢な…アイツの背中を感じる。
客間には布団がこれしかないのだ…シェアは当たり前だが…
アイツも…寝てる?
少し考えたが…頭が寝ている。
考えるのが……めんどうくさい…
たぶん――――…秋音が俺に背中を預けながら…寝ているんだろう…
背中と背中が触れている…
俺はその温もりを…確認し……再び瞼を閉じた。
「――――ちゃん…と……ねろ…ょ……」
そうして…俺たちは初めて…背中合わせで朝まで寝た。