ひとつ屋根の下の愛情論
第6章 現状維持の押し問答
でも――――この女は…笑っている。
半開きの口元が…緩く…微笑んでいる。
カメラの向こうの――――…
ページを開く購入者の――――…
男に向かって…
「ねぇ…私…エロいでしょ?」
と、笑っている。
俺は…あの時――――…どんな顔をしていた?
こんな風に…あの犯人を…誘惑していたのか?
俺は――――…この…女のように――――…
「――――おい、おい…秋音、エロページ大胆におっぴろげて…何してんだよ」
――――ハッ!
「あっ!は?///えっ、開いて――――ねぇし!見てねぇし!」
俺は診察室を出てきた律夏にエロページを開いていた所を見られ焦った!
「超――――ガン見してたな…エロ高校生が」
確かに――――…目線はエロいページだっが…見ていなかった…
ぼやけて…視点はそこにはなかった…
「――――う、うるせぇ」
俺は乱暴にページを閉じると律夏に週刊紙を投げた。
「おい、投げんなよ――――…この、グラビアアイドルお気に入りなんだから!」
と、ソレを瞬時にキャッチした律夏は俺を睨んだ。