ひとつ屋根の下の愛情論
第7章 日常と後回しの三日月
~律夏side~
「律夏さ~ん!ど~したんすか?今日はソワソワ?イライラ?してません?」
「はあ゛!?してねぇ~し!」
木戸がヒョコっと顔を出したことで、ビックリして声がでかくなった。
「うわ!そんな声ださなくても!」
木戸の陽気な顔に多少だがイラッとしたのは事実…
「な~んかあったんすか?あっ!女っすね!女」
木戸は講師室に響き渡る声で“女だ!”と、騒ぎたけてる。
「ちげぇ~よ!弟だ、弟――――!」
「は?また、弟さんっすか?――――律夏さんって案外…ブラコンっだったんすね!」
「は?ブラコン――――って、違うから!」
木戸は「つまんねぇ~っす!」と、言いながら自分の席に戻る。
「そ~いや、弟さん進学先どこっていいってました?」
「あ~…やりたいこと見つかってなくて…考えているみたいだ…この年の男子は難しいねぇ~…」
「大人と子供の間思春期っすからね」
…大人と子供の間思春期…
アイツにピッタリな期だ…
俺はチラッと時計を見る。
「大丈夫かよ――――…あいつ…」
来週から学校に復帰すると言っていた矢先に。
アイツは熱を出した――――…
本人は知恵熱だと言って笑っていたけど…
何かあったのか?と…不安になる。