ひとつ屋根の下の愛情論
第7章 日常と後回しの三日月
何が――――…
「これは…お兄さんに言っていいのか分かりませんが…
――――…秋音くんは…【性】にたいして、今後…激しく拒絶するか…激しく執着するか…爆弾を抱えている状態だと…私は思っています」
あの日、最後のカウンセリングだからと呼ばれた俺がカウンセラーの先生に言われたことだ。
“爆弾を抱えている”
その言葉に……
俺も抱えてるんだよ――――先生…
と、口から出そうになった。
だが――――言えなかった。
“拒絶か執着か”
秋音の心は――――…穏やかに見えて…
地雷を隠し持ってしまったと…
そう言う事らしい――――…