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歪ーいびつー

第4章 高1ー春ー



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「え?! ただの幼馴染?! 」
「う……うん」
「え?! だって毎日手繋いで登下校してるよね? 」
「……」

今私の目の前で身を乗り出して話してるのは由紀ちゃん。ショートカットのよく似合う快活な女の子。
自己紹介が失敗に終わって、友達作りを諦めていた私に優しく話し掛けてくれたのだ。

そして今のこの会話は、奏多くんとの関係について。
『夢ちゃんの彼氏イケメンだね』と言われ、彼氏なんていないと答えると色々質問責めになってしまった。

「付き合ってないのにどうして毎日手繋いで登下校してるの? 」

不思議そうに質問する由紀ちゃんを前に、私は回答に詰まる。
どうしてなんだろう……? 私もよくわからないのだ。

「奏多は昔から夢に過保護なんだよ。妹的に思ってるんじゃない? 」

「ね? 」と笑顔でフォローしてくれる朱莉ちゃん。

「じゃあ、夢ちゃん本当にフリーって事……? 」

少し見た目の軽そう? な感じの隼人くん。
髪の毛は金髪に染まり、制服は……同じ制服を着ているとは思えないほどに着崩されている。
それでも顔立ちは整っているのでイケメンに分類されるのだろう。

「じゃあ俺狙っちゃおっかなー」なんて言ってる姿は……正直、苦手だと感じてしまう。


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