歪ーいびつー
第7章 ー5月ー
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涼くん……私ね……今凄く辛いよ。
学校に行くのが凄く辛いの。
閉じていた瞼を開くと、いつものように眩しい笑顔を見せる涼くんの写真を見つめる。
「夢ちゃん、お菓子どうぞ」
そう声を掛けられた私は、席を立って仏壇前から移動する。
「ありがとうございます」
お菓子と一緒に出されたグラスを手に取ると、中に注がれたジュースをコクリと一口飲み込んだ。
「夢ちゃん、学校は楽しい? 」
そう言って優しく微笑む涼くんのお母さん。
今でも勿論綺麗なのだが、その頬は痩せこけ本来の美貌は影を潜めている。
涼くんが亡くなってから、私は学校に行けなくなってしまった時期があった。それは、小学校を卒業するまで続いた。
涼くんと共に過ごした学校。そこに涼くんがもういないという現実が辛く、私にはどうしても受け止められなかったのだ。
私は家に籠《こも》るようになり、外出するといえば涼くんの家に行く時だけになった。
中学に上がる前のある日、私は涼くんのお母さんに泣きながら言われた。
『夢ちゃん、ごめんね。おばちゃんも頑張るから……一緒に頑張ろう』
何も悪い事などしていないのに泣きながら謝るその姿を見て、涼くんを亡くして私以上に辛いはずなのに、私の不登校が更に追い詰めているのだとその時初めて気付いた。
『ごめんね、ごめんね……』と何度も泣いて謝る姿に、私は学校へ行く決意をした。
私は頑張らなくちゃいけない、と。
「はい、楽しいです」
私が笑顔でそう答えると、涼くんのお母さんは嬉しそうに微笑む。
「そう、良かったわ」
そう言って目の前のグラスを手に掴んだ涼くんのお母さんは、グラスに注がれたお茶を口の中へと流し込んだ。
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涼くん……私ね……今凄く辛いよ。
学校に行くのが凄く辛いの。
閉じていた瞼を開くと、いつものように眩しい笑顔を見せる涼くんの写真を見つめる。
「夢ちゃん、お菓子どうぞ」
そう声を掛けられた私は、席を立って仏壇前から移動する。
「ありがとうございます」
お菓子と一緒に出されたグラスを手に取ると、中に注がれたジュースをコクリと一口飲み込んだ。
「夢ちゃん、学校は楽しい? 」
そう言って優しく微笑む涼くんのお母さん。
今でも勿論綺麗なのだが、その頬は痩せこけ本来の美貌は影を潜めている。
涼くんが亡くなってから、私は学校に行けなくなってしまった時期があった。それは、小学校を卒業するまで続いた。
涼くんと共に過ごした学校。そこに涼くんがもういないという現実が辛く、私にはどうしても受け止められなかったのだ。
私は家に籠《こも》るようになり、外出するといえば涼くんの家に行く時だけになった。
中学に上がる前のある日、私は涼くんのお母さんに泣きながら言われた。
『夢ちゃん、ごめんね。おばちゃんも頑張るから……一緒に頑張ろう』
何も悪い事などしていないのに泣きながら謝るその姿を見て、涼くんを亡くして私以上に辛いはずなのに、私の不登校が更に追い詰めているのだとその時初めて気付いた。
『ごめんね、ごめんね……』と何度も泣いて謝る姿に、私は学校へ行く決意をした。
私は頑張らなくちゃいけない、と。
「はい、楽しいです」
私が笑顔でそう答えると、涼くんのお母さんは嬉しそうに微笑む。
「そう、良かったわ」
そう言って目の前のグラスを手に掴んだ涼くんのお母さんは、グラスに注がれたお茶を口の中へと流し込んだ。
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