
美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜
第13章 恋人はサンタクロース
そんな私の様子を見てクスクスと笑ったひぃくんは、俯いたままの私の手を取るとベッドの上へ座らせた。
「ーーねぇ、サンタさん」
その声に反応してひぃくんの方をチラリと見てみると、フニャッと笑いながら小首を傾げて私を見ている。
「なぁに? 」
どうやら、今の私はサンタさんという設定らしい。
それが何だか可笑しくて、思わずクスリと笑ってしまう。
「プレゼントちょうだい? 」
「へっ……? 」
ニコニコ微笑むひぃくんを前に、焦った私は目を泳がせる。
コスプレするのがプレゼントじゃなかったの?
どうしよう……私、本当にプレゼント用意してないのに……。
申し訳ない気持ちで押し潰されそうになった私は、眉尻を下げた情けない顔でひぃくんを見つめた。
「あのね……ひぃくん……私、本当にプレゼント用意してないの。ごめんなさい……」
申し訳なさそうにそう告げる私を見て、ひぃくんはクスッと笑い声を漏らすと私の耳元で甘く囁いた。
「プレゼントならちゃんとあるよ」
「……え? 」
ーーー?!
気付くとベッドの上へ押し倒されている私。
へっ……?
「プレゼントは花音だよー」
私の上に跨ったひぃくんが、フニャッと笑ってそう言い放った。
え……? えっ?! えーー?!!
む、む、ムリムリムリムリーー!!!
ひぃくんの事は好きだけど……。
大好きだけど……ま、まだ心の準備が出来てないよぉっ……!!!
この状況が何を意味するのか察した私は、一人脳内でパニックを起こす。
恥ずかしさで真っ赤になっていた顔は次第に青へと変わり、ビシッと固まった身体はピクリとも動かなくなってしまった。
