
美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜
第14章 煩悩はつまり子煩悩?
その後なんとか時間ギリギリに間に合った私達は、斗真くん達と無事に合流すると目的地だった神社へとやって来た。
「うわぁーっ! やっぱり凄い混んでるねー!」
カウントダウンの為に集まった人集《ひとだ》りを見て、私は大きく感嘆の声を上げる。
先の見えない行列を眺めた後、とりあえず最後尾らしき列に並び始めた私達。
ここ、まだ神社の入り口付近だよね?
キョロキョロと辺りを見回してみても、先頭の様子などちっとも分からない。
諦めた私は、今度は参道脇に並んだ何件もの出店を物色し始める。
……どれもとっても美味しそう。
その美味しそうな食べ物の匂いにつられて、クゥーっと音を鳴らす私のお腹。
お腹空いたなぁ……。
ペコペコになったお腹を摩りながら出店をジッと眺めていると、そんな私に気付いたひぃくんが話しかけてきた。
「お腹空いちゃったねー、花音。何か買いに行こうかー? 」
「うんっ! 」
ひぃくんの言葉に勢いよく返事をする私。
「並んでおくから、買いたい人は行って来ていいよ」
私達のやり取りを横で見ていたお兄ちゃんは、斗真くん達に向けてそう告げると優しく微笑んだ。
「「ありがとうございます」」
ペコリと軽く会釈をする斗真くん達。
