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美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜

第15章 君とハッピーバレンタイン



その日の夕食後、リビングのソファで寛いでいる私は、すぐ隣に座っているお兄ちゃんをチラリと見て口を開いた。

「ーーねぇ、お兄ちゃん。お兄ちゃんてどんな女の子が好きなの? 」
「……は? 」

私のその唐突な質問に、怪訝そうな顔を見せるお兄ちゃん。

「なんで? 」
「えっ?! ……べ、別に?! 何となく……気になっただけ」
「……へー」

慌てた私を怪しく思ったのか、目を細めてチラリと私を見るお兄ちゃん。

……明らかに怪しまれている。
どっ……ど、どうしよう……。

いきなりピンチになってしまった私。

……あっ!

「そっ……そういえばっ! イヴの日お兄ちゃん何処に行ってたの?! 」

私は前から気になっていた事を質問すると、何とかその場を誤魔化そうとしてみる。

「……何処だっていいだろ」
「良くないよっ! 私にはデート禁止したくせにっ! 」
「結局俺に黙ってデートしてただろ? 」

ギロリと睨まれ、何も反論できない私。

……はい、仰る通りです。
あの時のお兄ちゃんは、猛烈に恐ろしかったのを今でもハッキリと覚えています。

それを思い出した私は、口元をピクッと引きつらせると、お兄ちゃんの視線が堪らずに顔を背けた。

私はただ、彩奈の為にお兄ちゃんの好みを聞き出そうとしただけなのに、気付いたらお兄ちゃんにお説教されているみたいな状況になってしまった。

一体、何故……?

こんなんじゃ彩奈に協力なんてできそうにない。
自分の不甲斐なさに、キュッと唇を噛んで俯く。
すると、そんな私を見たお兄ちゃんが小さく溜息を吐いた。


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