
美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜
第15章 君とハッピーバレンタイン
……何で?!
何で彩奈からの連絡が来ないの?!
まさか……お兄ちゃんと会えなかったとか?!
やっぱり今すぐ確認してみようっ!
そう思った私は、開いていた画面を一旦閉じると通話ボタンを押した。
携帯を耳に当ててコール音に耳を傾ける。
ーーーピリリリリッ
へっ……?
廊下から聞こえてくる携帯の音に、反射的に目の前の扉を見た私。
……あれ? 偶然……かな?
きっとお兄ちゃんの携帯が偶然鳴ったんだんだよね……?
そうは思ったものの、廊下が気になって扉から目が離せない。
ーーーコンコン
「……っ! は、はいっ! 」
目の前の扉が突然ノックされ、私は携帯を耳に当てたまま大きな声で返事をした。
ーーーガチャッ
私の返事を確認してからゆっくりと開かれた扉。
私は呆然と携帯を耳に当てたまま、入り口に立つお兄ちゃんを見つめた。
未だ廊下で鳴り続ける携帯の着信音。
お兄ちゃんを見つめたまま固まっていると、その背後から突然姿を現した彩奈。
ーーー!!?
「……えっ!!? 彩奈っ!? な、なななな、何で!? えっ!? 」
パニックを起こして慌て出した私を見て、小さく溜息を吐いたお兄ちゃんが口を開いた。
「ちゃんと説明するから。とりあえずそれ、切って」
私の耳に当てられている携帯を指差してそう告げたお兄ちゃんは、そのまま彩奈を連れて私の部屋へと入ってくる。
そんな二人を見て、一体何がどうなったのかと動揺しながらも、私は言われた通りに携帯を切ると心を落ち着かせた。
