
美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜
第16章 何度でも、君に恋をする
「子作り楽しみだねー、花音」
ーーー?!
こっ……子作り?!
そそそそ、それってつまり……エ、エ、エッチの事でしょ?!
そこまで考えると、ボンッと噴火したように真っ赤になった私の顔。
「ンなっ……?! な、なななな、何言ってるの……?! こっ、子作りなんてっ……わ、私しないよっ! 」
はっ……恥ずかしい……。
何でこんな話し、よりにもよって親の目の前で話さなきゃならないのっ……。
「まぁまぁ……そんなに照れるな。可愛いなー花音は」
ポンッと私の頭に手を乗せてデレデレと微笑むお父さん。
「照れちゃって可愛いーねー、花音っ」
フニャッと笑ったひぃくんは、そう言うと私の頬をツンッと突いた。
強烈すぎる……。
ひぃくんが二倍だ。
真っ赤になった顔で、あまりの恥ずかしさに泣きそうになる私。
「ーーいい加減からかうのやめろよ、父さん」
突然聞こえてきたお兄ちゃんの声に反応して、クルリと後ろを振り返ったお父さん。
「いやぁー、つい。……花音が可愛くてー」
アハハッと笑ってお兄ちゃんを見たお父さんは、その横にいる彩奈にチラリと視線を向ける。
「翔も子作りに励めよー。彩奈ちゃんならいつでも大歓迎だよ、俺は。……相変わらず美人さんだねー彩奈ちゃんは」
真っ赤になる彩奈を見て、デレデレとするお父さん。
ほんと、辞めて頂きたい。
彩奈……何かごめん。
セクハラで訴えてくれてもいいからね……。
私のとばっちりを受けるハメになってしまった彩奈に、私は申し訳ない気持ちで彩奈を見つめる。
「だから、からかうなよ……」
呆れた顔をしながらも、自分の背後に彩奈を匿うお兄ちゃん。
何だか彩奈、真っ赤な顔をしながらも嬉しそう。
素敵すぎかよ……お兄ちゃん。
チラリとひぃくんを見上げると、私の視線に気付いたひぃくんがフニャッと笑う。
……ひぃくんだって素敵だもん。
デリカシーはないし、頭のネジは緩んでるし……ちょっと変だけど。
そんな悪口ばかり思い浮かべながら、私はひぃくんを見てヘラッと笑った。
