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美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜

第3章 君はやっぱり変でした



「水着可愛いね、似合ってる」
「あ、ありがとう」

私の水着姿を眺める斗真くんに、何だか急に恥ずかしくなった私は顔を俯かせる。

そんなに見つめないで頂きたい……。

チラリと視線を上げると、私と目が合った斗真くんがニコリと微笑んだ。

「花音ちゃん、行こう」

私の手を取った斗真くんは、そう言うと流れるプールへと連れて行く。

浮き輪に入ってプカプカと流れる。
とっても気持ちがいい……。

「花音ちゃん、楽しい?」
「うん!」

浮き輪に掴まって一緒に流れている斗真くんが、私を見つめて優しく微笑む。

「良かった、俺も楽しい」

浮き輪に両腕を乗せ、小首を傾げてニコリと笑う斗真くん。

何だろう……
凄く癒される。
斗真くんて癒し系なんだね。

普段私の周りには存在しない、この何とも癒される雰囲気。
とても心地がいい……。

ひぃくんに振り回されてばかりいる私は、たぶん凄く疲れているのかも。
ヒーリング効果でもあるのかな、斗真くん。

あぁ……ひぃくんの事考えたせいかな。
ひぃくんの幻が見えてきちゃったよ。

そう思いながら、ひぃくんの幻を眺める。

幻を……まぼ……

ーーー!?

私は思わず目を見開いた。
幻じゃない……!

女の人達に囲まれて逆ナンされているイケメン……
あれは間違いなくひぃくんだ。

何で?!
何でここにいるの?!

「花音ちゃん、どうかした?」

私の異変に気付いた斗真くんが、心配そうな顔をして訊ねる。

「えっ?! な、何でもないよ」

思わず笑顔が引きつってしまった。

絶対に見つからないようにしなきゃ……。
大丈夫、こんなに広いんだもん。
見つかりっこない。

自分は簡単にひぃくんを見つけたくせに、どこからくる自信なのか……
私は見つかりっこない、大丈夫だと高を括《くく》った。



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