
美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜
第5章 そんな君が気になります
そのままあっという間に一着でゴールしてしまったひぃくん。
凄いよ、ひぃくん。
私はただただ感心した。
全員がゴールしたところで、マイク越しにお題と借りて来た物の発表が始まる。
チラリと一番奥を見ると、ゼェゼェと肩で息をする校長先生がいた。
私の視線に気付いた校長先生は、ニコリと優しく微笑んでくれる。
どうやら五着でビリだったみたい。
仕方ないよね、歳だもん。
そんな事を考えながら、司会進行役の人の言葉に耳を傾ける。
「えーでは、お題の発表と確認をします! まずは五着!」
五着の人からカードを貰うと、再びマイク越しに口を開く。
「お題はハゲ!」
な、なんて恐ろしいお題なんだ……。
チラリと校長先生を見ると、その頭は確かに輝いていた。
会場中から笑いの渦が聞こえる。
急に怖くなった私は、隣にいるひぃくんを見上げた。
私の視線に気付いたひぃくんは、私を捉えると優しく微笑む。
お題、何なんだろう……。
不安しかない。
「続きましてー、四着! お題は……パンツ!」
ーーー!?
パ、パンツ?!
四着の人を見ると、右手を高々と上げている。
その手には男物のパンツが。
あのパンツの持ち主は今、ノーパンなのだろうか……。
借り物競走のお題は、三年生が自ら考えたとお兄ちゃんが言っていた。
怖すぎる……。
何なのこのお題。
競技に参加するまでちゃんと見ていなかった私は、借り物競走がこんなに恐ろしいとは思っていなかった。
ひぃくん、やだよ私。
変なお題じゃないよね?
青ざめる私は、その後のお題も必死になって聞いた。
中には普通の物もあって、全部が変なお題ではないようだ。
