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美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜

第5章 そんな君が気になります



「えーでは、一着のお題は……」

いよいよ来てしまった自分の番に、私はドキドキしながらひぃくんを見つめる。

ひぃくんからカードを受け取った司会進行役が、手元のカードを見ると口を開いた。

「お題は気持ちの良いもの!」

……?
意味不明なお題に、私の頭上にはハテナマークが浮かぶ。

「んーこれは中々難しいお題ですね!ご本人に聞いてみましょう!」

そう言ってひぃくんにマイクを向ける司会進行役。

どういう意味だろ……?
意味のわからない私は、隣にいるひぃくんを黙って見守った。

「毎日ベッドの上で優しく抱いてます。凄く気持ちいいよー」

ーーー!!!?

ニッコリ微笑むひぃくん。

一瞬にして静まり返る会場。
固まる司会者に、青ざめる私。

視界の端に、私と同じくらい青ざめた校長先生の顔が見える。

「ね?気持ちいいねー花音」

青ざめる私を抱きしめ、そう言ったひぃくん。
途端に、会場からは女の子達の悲鳴が上がる。

ひぃくん……
その言い方は……。

人生終わった。
そう思った私は、もうそれ以上何も考えられなかった。

私は突っ立ったまま魂が抜けてしまったのだ。
思考の停止してしまった私は、女の子達の悲鳴が聞こえる中、ずっとひぃくんに抱きしめられていた。

青白い顔をした私の頬に、スリスリと頬を寄せるひぃくん。
固まったままピクリとも動かない私。

目の前には、私達の元へ走ってくるお兄ちゃんの姿。
そのお兄ちゃんの顔も、私と同じくらい青ざめていたーー。

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