
美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜
第7章 君は私の彼氏でした!?
「私いちご練乳かき氷ー!」
「ご飯は?」
「いらなーい」
「後で腹減ったとか言うなよ」
私をジロリと見たお兄ちゃんは、そう告げるとひぃくんと一緒にレジへと歩いて行く。
遊び疲れた私達は、数件ある海の家から一番近場を選ぶと、四人で昼食を取る為に店内へと入った。
皆が焼きそばだのラーメンだのと言っている中、私だけかき氷を頼むと、お兄ちゃんは呆れた顔をしていた。
暑くて食べる気しないんだもん。
よく皆食べれるよね。
適当に空いている席に座ると、お兄ちゃん達の後ろ姿を眺める。
あ……
また女の人に逆ナンされてるし。
「声掛けられすぎ……」
私は小さく溜息を吐くと、ポツリと呟いた。
男二人になった途端にこれだ。
本当に二人はよくモテる。
「二人ともイケメンだからね……」
私の目の前に座った彩奈は小さくそう呟くと、お兄ちゃん達の後ろ姿を見つめて目を細めた。
何だかさっきから彩奈の様子がおかしい気がする……。
そう思いながらも、再びお兄ちゃん達へと視線を戻す。
何やら女の人達と話しているお兄ちゃん達。
よく見ると、お兄ちゃんの腕に自分の腕を絡ませて胸を押し付けている。
随分と積極的なお姉さんだ……凄い。
唖然として眺めていると、突然ひぃくんがこちらを振り向き、ヒラヒラと手を振ってきた。
え!?……な、何?
そう思いながらも、小さく手を振り返してみる。
すると、私達の方を見た女の人達が、残念そうな顔をして去って行った。
あ……ナンパ避け?
取り敢えず役に立てたんなら良かった。
ホッとしたのと同時に、早くかき氷が食べたくなる私。
「お兄ちゃーん!かき氷ぃー!」
お兄ちゃんへ向けてそう催促をする。
暑いから早くかき氷が食べたい。
さっさと買ってきて。
そんな自己中な事を考えていた私。
お兄ちゃんは呆れた様な顔をすると、クルリと背を向けて今度こそレジへと向かって歩き出した。
「兄使いが荒いわね」
チラリと私を見た彩奈は、そう言うと呆れたように溜息を吐く。
「だって暑くて……」
私は彩奈に向けてそう言うと、エヘヘッと笑ってごまかした。
