
美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜
第11章 君ととんでもナイト
私の目の前に突然現れた救世主。
なんて幸運なのだろう!
私はキラキラと瞳を輝かせると、ひぃくんを見て口を開いた。
「本当っ?!」
「うん。何がわからないの?」
ニコニコと優しく微笑むひぃくん。
何て優しいんだろう。
お陰でスパルタから逃れられた。
「数学が全然わからないの……」
「どの問題?」
床に転がるクッションの上へ腰を下ろすと、私はテーブルに広げた教科書を指差した。
「ここ……」
「……うん。ここの何がわからないの?」
私の隣に腰を下ろしたひぃくんは、一度教科書に目を通すと私を見て微笑む。
「……何がわからないかわからない」
小さな声でそう答えた私は、そのまま顔を俯かせた。
何がわからないかわからないなんて、私はなんてバカなんだろう。
これではひぃくんだって教えられないよ……。
「大丈夫だよー、花音。ちゃんと教えてあげるからね」
そう言って優しく頭を撫でてくれるひぃくん。
「……うん、ありがとう」
俯いていた顔を上げると、ひぃくんが優しく微笑んでくれる。
その顔にホッとした私は、気持ちを切り替えて再び教科書に視線を移すと、隣で優しく説明してくれるひぃくんの話しを真剣に聞いた。
