
美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜
第11章 君ととんでもナイト
「なんで……? 高校生だから何? 花音は俺のお嫁さんでしょ?」
「いやぁ……」
お願い、そんな目で見ないで……。
今にも泣き出してしまいそうなひぃくんに、私は思わず目を逸らすとどうしたものかと悩んだ。
ひぃくんの言っているお嫁さんとは、ずっと彼女という意味だと解釈していた私。
それが、どうやら本気でお嫁さんだと言っているみたいなのだ。
……勿論嬉しくないわけではない。
でも、高校生の私には正直まだ結婚なんて考えられない。
「……嫌……なの? 今……嫌って……言った……の?」
小さく呟く様な声に視線を向けると、真っ青な顔をしたひぃくんがガタガタと震えている。
え……。
私……嫌だなんて言った? いつ?
「……花音は俺と一緒にいたくないの?」
「えっ? ……いっ、一緒にいたいよ、もちろん」
「じゃあどうして結婚してくれないの?」
真っ青な顔をして見つめてくるひぃくんに、思わず口元がピクリと引きつる。
「いやぁ……だって私、まだ高校生だもん……」
さっきと同じ答えしか返せない私。
これ以上どう伝えろと?
私のポンコツな頭ではこれが限界なのだ。
顔を引きつらせて小さく笑い声を漏らすと、更に真っ青になったひぃくんが口を開いた。
「また……また嫌って……言った……」
「……えっ?! い、言ってないよ!」
「言ったよー!」
突然大きな声を上げたかと思うと、ついにメソメソと泣き出してしまったひぃくん。
嫌なんて言ってないよ、ひぃくん……。
私は小さく溜息を吐くと、ひぃくんの手をキュッと握った。
「ひぃくん……私、ひぃくんの事大好きだよ? でもね、まだ結婚はできないの。お願いだからわかって?」
私の言葉にピクリと肩を揺らしたひぃくんは、勢いよく顔を上げると私の肩をガッチリと掴んだ。
ーーー?!
