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美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜

第11章 君ととんでもナイト



「本当っ?!」

さっきまで流していた涙はどこへ消えたのか、ひぃくんは瞳を輝かせて嬉しそうに微笑んでいる。

……一体何がどうなったの?

驚きに固まったまま見つめていると、私を見てニッコリと笑ったひぃくんが口を開いた。

「花音は俺のこと大好き?」
「……え……う、うん。大好きだよ?」
「じゃあ花音からキスして?」

ーーー?!

小首を傾げてフニャッと微笑むひぃくん。

私の顔は一気に熱が集中し、見る見る内に真っ赤に染まった。
きっと今の私は茹でダコみたいだと思う。

「……えっ?!! ムリムリムリムリっ!!!」

全力で首を横に振る私。

ひぃくんからされるのだって恥ずかしいのに、自分からだなんて……
そんなの絶対に無理っ!

「じゃあサインして?」

ニッコリ笑って婚姻届を差し出すひぃくん。

「ひぃくん、だから結婚はまだ……」
「じゃあキスして?」

え……。
その二択なんですか?

婚姻届から視線を移した私は、目の前でニコニコと微笑むひぃくんを見て顔を引きつらせる。

……本当に?
その二択しか私に残された道はないの?

「むっ、無理っ! どっちもできないよ、ひぃくん!」
「どうしてー?だって花音は俺のこと大好きでしょ?」
「そういう問題じゃないのっ!」

真っ赤な顔で大声を上げた私は、ニコニコと微笑むひぃくんを見て、握り締めた拳をプルプルと震わせた。


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