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雪野かなえに想いを込めて

第6章 聖夜の奇跡

 その夜……。

「かなえっ……」

 布団に入ると思い出すのは、あの時、失ったかなえのこと。私の能力がそうさせてしまった。みんなには心配させたくなくて見せないけれど、やっぱり季節の変わり目は、ほんの少し後悔する。メルとかなえ。私にとって大切な二人。

 涙がぽとりと零れた、その瞬間だった。部屋が眩い光に包まれて。

目の前に現れたのは、クリスタルのラリエットをつけて、うさ耳サンタ服を着たかなえの姿。短めのスカートだからって黒のズボンを履いているのがかなえらしい。

「やちよ、後悔しないで。あたしは、やちよを守れて良かったと思っているよ。とっても幸せだったよ。メルも同じ気持ちだって、言ってたよ。クリスマスイブのこの夜。聖夜。少しだけ、たった一人に会いに行くこと許されたから……。あたしは遠くにいてもやちよのことずっと想っているから。だから、笑って。やちよの笑顔があたしの一番の宝。みふゆにもよろしく言っておいて」

 ホーリーサンタなかなえは、一気に言うと、私の返答を聞くこともなく、またふわりとした光に包まれて、闇夜の銀星の先に消えていった。

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