雪野かなえに想いを込めて
第7章 その温もりが愛しい
「ただいまー…」
「おかえりなさい、うわっ…。大丈夫? ここ座って」
手洗いとうがいをして、モノトーンの座椅子に座る。
ふわっ……。
かなえさんは、私にピンクのうさぎ耳つきのブランケットをかけてくれる。テーブルの上にある鏡にうつる自分の顔は酷いものだった。ファンデーションもリップも剥げていて、目の下にはうっすらとした熊。少し荒れた肌。メイクする時には毎朝、鏡に向き合っているはずなのに、自分の顔には無頓着だった。鏡の横に置いてあるつけかけのピアス。
「かなえさん、どこか出かける途中だった?」
「大丈夫。たいした用事じゃないよ。夢蘭がそんな顔してる方があたしには心配。一大事だから。はい、これ。夢蘭の大好きなピーチティーだよ」
有名なうさぎのキャラクターのマグカップに入れてくれたピーチティー。猫舌な私のことを知っていて、いつも氷をひとつ入れてくれるかなえさんの気遣いが私は好きだ。
「おかえりなさい、うわっ…。大丈夫? ここ座って」
手洗いとうがいをして、モノトーンの座椅子に座る。
ふわっ……。
かなえさんは、私にピンクのうさぎ耳つきのブランケットをかけてくれる。テーブルの上にある鏡にうつる自分の顔は酷いものだった。ファンデーションもリップも剥げていて、目の下にはうっすらとした熊。少し荒れた肌。メイクする時には毎朝、鏡に向き合っているはずなのに、自分の顔には無頓着だった。鏡の横に置いてあるつけかけのピアス。
「かなえさん、どこか出かける途中だった?」
「大丈夫。たいした用事じゃないよ。夢蘭がそんな顔してる方があたしには心配。一大事だから。はい、これ。夢蘭の大好きなピーチティーだよ」
有名なうさぎのキャラクターのマグカップに入れてくれたピーチティー。猫舌な私のことを知っていて、いつも氷をひとつ入れてくれるかなえさんの気遣いが私は好きだ。