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雪野かなえに想いを込めて

第10章 とあるランキングの日

「大丈夫、大丈夫だよ。夢蘭があたしのキャラクターを使ってくれるだけで嬉しい」

「でも、申し訳ないよ。私が彼女なのに。彼女が一番のクラスをとれないなんて……」

「なに言ってるの? 夢蘭はいつでもあたしの一番だし、想いはいつも一番でしょ? あたしの中でSSだからいいの。それに……上のほうにいきすぎたら、みんなの目に触れる機会が増えるから嫌だ。ひとりじめしたい……なんて、恥ずかしい。それに、女の子は、少し抜けてるほうが可愛いよ」

 笑う息が頭にかかる。頭を顔にのっけてくるかなえさん。

「なにそれ~? ふふっ。かなえさん、恥ずかしい恥ずかしいって言うのに恥ずかしいことするよね?!」

「……あ、やっと笑ってくれた。恥ずかしい……けど、大事な彼女のためなら、恥ずかしいこともする。彼女の泣き顔に耐えられるパートナーなんていない。夢蘭には、できるだけ笑っていて欲しい。あたしのために泣くんじゃなくて、笑っていて欲しい」

「じゃあ、大好きって言って!」

くるんって振り返ってかなえさんの顔を覗き込む。

「それは……恥ずかしい」

 恥ずかしがるかなえさんが可愛すぎて、つい唇を重ねる。

「///// ちょ、」

「もっと恥ずかしいことしちゃった~!!! よし、寝よ!」

「……仕返し」

「もお~~~」

 こうやって、私達は、これからも二人で愛情を重ねていく。お互いの体温を感じるこの瞬間が、私は何より好き。

 愛情と成績は比例しない。大好きな人と一緒。それだけで幸せなんだと気づかせてくれた。かなえさんにありがとう--。


fin.

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