雪野かなえに想いを込めて
第10章 とあるランキングの日
「………夢蘭?」
しまった。どうやら、ライブのDVDが終わるまでにこの溢れるものをとめられなかったみたいだ。
「なんでもない……」
「こっち向いて?」
「……向かない」
かなえさんは、きっと困った顔をしているんだろうな。背中越しにも分かる。頬にそっと触れられて、
「やっぱり、泣いてる。なんでもない涙なんてないよって夢蘭が好きなプリキュアのDVDで言ってた……」
プリアラのDVD。かなえさんがサプライズでクリスマスプレゼントしてくれたDVD。覚えていてくれたんだ。
「……」
「眠れなくなるとよくないから、ホットミルク作る。こっち、おいで……?」
かなえさんには勝てないなあ。私は静かに頷くと、お気に入りのうさぎのクッションに座る。かなえさんは、私に私のお気に入りのタロットカードの魔法少女のブランケットをかけてくれる。
「最近、寒いから冷えたらいけないから。何があったの……?」
私は、SNSの言葉の話をした。
かなえさんは、後ろから私をぎゅっとして、頭を撫でてくれる。