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はるのかぜ

第55章 思いがけない再会

5月最後の週の金曜日、ハルは青美中等教育学校の一室に居ました。今日は、来週から始まる教育実習の事前打ち合わせにやって来たのです。国分先生がハルに説明します。

「よし、じゃあまず私なんだけど、今、教務主任をしてるんだ。」

「へぇー、先生、教務主任なんですね。」

「だから、実習生の担当も私がするんだ。」

「わかりました。」

「数学の授業は私の授業を受け持ってもらうからよろしくね。」

「はい。」

「じゃあ、これが担当してもらう授業の教科書だ。」

ハルは国分先生から数学Aの教科書を受け取りました。ハルが在学していた頃の教科書からすっかり変わっており、ハルは新鮮な気持ちになりました。

「そしたら、特に接点がありそうな先生方を今から紹介するな。」

そう言うと、ハルは国分先生に連れられ、まずは校長室へと向かいました。
国分先生は校長室のドアをノックして言いました。

「失礼します。」

「失礼します。」

ハルも国分先生に続いて言いました。入った先には、とても真面目そうな男性の姿がありました。その男性は校長の草野昌之先生でした。

「こちらが、校長先生だ。」

国分先生がハルに草野校長を紹介します。

「来週から教育実習生としてお世話になる、内海です。」

真面目そうな草野校長を前にして、ハルの表情は一気に硬くなります。

「校長の草野と言います。」

そう言うと、草野校長はハルに名刺を差し出しました。

「3週間、いろいろ大変でしょうけど、頑張ってください。」

「はい。」

ハルは草野校長の言葉に頷きました。

「よし、じゃあ次は職員室に行こう!」

そう言うと、国分先生はハルを職員室に誘導しました。

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