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はるのかぜ

第115章 体調不良の原因は?

ハルが学校で倒れてから、かなりの月日が経ちましたが、原因は依然わからないままでした。そんなハルの励みになっているのは、この前生徒たちからもらった手紙でした。ハルは毎日、生徒からの手紙を読んで、元気をもらっていたのでした。そんなある日、ハルがベッドの上で手紙を読んでいたら、突然看護師がやって来ました。

「内海さん、藤原先生が今からお話したいことがあるので来てくださいですって。」

「わかりました。」

ハルは看護師に連れられ、診察室へと向かいます。中にはハルの担当医である藤原先生が待機していました。

「あっ、内海さん。その後、体調はいかがですか?」

「まだ、完全とは言えませんが、めまいもほとんどしなくなりました。」

「そうですか。回復傾向のようですね。」

「はい。」

「今日はこれまでの検査結果をお伝えしようと思い、お呼びしました。」

藤原先生の発言を聞いたハルは、緊張の面持ちで話を聞きます。

「一通りの検査を実施しましたが、どこも検査結果には異常ありません。そのため、今回の症状は過労による自律神経失調症と思われます。」

「自律神経失調症?」

「はい。まず、自律神経とは内臓や体温、血圧などの調節をしている神経です。この神経は交感神経と副交感神経という2つの神経で成り立ってます。交感神経は心と体を活発にする役割を、副交感神経は逆に心と体を休ませる役割を担ってます。正常な場合は、この2つの神経がバランスをとっていて、内臓や体温などのコントロールをしているのですが、今の内海さんはそのコントロールがうまく行かなくなってる状態です。そうなる原因としては不規則な生活が続いたり、疲労が溜まっていたり、あとはストレスなども考えられます。入院生活で回復傾向が見られたという状況ですと、おそらく過労によるものではないかと思われます。とりあえず、あと2、3日こちらも様子を見させていただいて、問題なければ退院としたいと思います。」

「本当ですか?」

藤原先生から退院の一言が出てハルは驚きました。

「ただし、退院後もここへの通院と投薬治療は続きます。引き続き、経過を見させていただいた上で職場復帰を考えていきたいと思います。」

「わかりました。」

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