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はるのかぜ

第116章 帰ってきたハル先生

退院したハルは、その後、病院への通院と投薬治療を続けていました。そして、ハルの職場復帰が決まった時はすでに年が明けており、3年の生徒たちは高校受験真っ只中に差し掛かった時期でした。出勤したハルは職員室の自分の席へと向かいます。

「内海先生、おはようございます!もう、大丈夫ですか?」

ハルの姿を見た玉森先生が言いました。

「おはようございます。すみません、ご心配おかけして。」

「いえいえ、元気そうで安心しました。」

「あら、おはようございます。というかおかえりなさい。」

続いて、森本先生がやって来てハルに声をかけました。

「森本先生!おはようございます。本当に先生には長いことご迷惑をおかけしました。」

「とんでもない。元気になってよかったわ。生徒たちも待ってるわよ。」

 職員朝礼を終えたハルは久しぶりに3年5組の教室へと向かいます。ハルが教室のドアを開けた瞬間、クラッカーの音が聞こえました。

「ハル先生!」

五関翼の第一声に続き、生徒全員が声を揃えて言います。

「おかえりなさい!」

黒板にも「ハル先生、おかえりなさい。」と大きく書かれています。

「ただいま!これ、みんなで用意してくれたの?」

「はい、先生が戻ってくるの、私たち、待ってたから。」

教卓近くの席に座っていた、塚田佐枝がハルの問いかけに返答しました。

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