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愛はメロデイにのって

第1章 愛は、メロディにのって

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 「お弾きになりたいのは
  この部分ではありませんか?」
 わたしは、あの有名な旋律を弾きました。
 「そうです
  先生すごいですね」
 「えっ」
 「ショパンの全曲を
  覚えているんですか?」
 「いえ
  この曲は
  わたしが一番好きな曲なんです」
 「そうですか
  私も一番好きなんです」
 いま弾いたメロディを弾くのはそんなに難しくはありませんが、コンクールや演奏会で弾くには、とても難し曲ですと説明しましたら、そのメロディだけでいいです、2小節か3小節でもいいですと言いました。
 でも、鍵盤を押さえる練習だけはしてくださいと言うと、
 「はい」
 「いつから
  始めますか」
 「次の水曜日からでいいでしょうか」
 「はい」
 「私は
  滝川といいます
  滝川望です
  学習塾を経営しています」
 「わたしは
  宮本百合です」
 「よろしくお願いします」
 「こちらこそ
  弾けますように
  精一杯お手伝いします」
 望さんは、熱心に通ってきました。
 音楽が好きだということも、よくわかりました。
 チャイコフスキーやワルツなど、メロディのきれいな曲が好きだと言いました。
 わたしと同じでした。
 わたしと望さんは、音楽以外でも、好きなものが同じということが、たくさんありました。

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