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また会える日まで

第2章 どんなに辛くても

Oside




車の窓から流れる景色を、ぼんやりと眺める






マネ「大野さん、もうすぐ着きますよ」



「ん、わかった」








そのまましばらく走って、駐車場に止まり



車から降りると、この前の看護婦さんが裏口まで案内してくれた。









「あ、先生」



廊下でこの前診察してくれた先生と会った。








「大野さん、こんにちは。今日からお願いします…



頑張りましょうね?」









「はい…お願いします。」









俺は、一人部屋に通された。









先生「明日から抗がん剤の治療に入ります。


今日は抗がん剤治療するにあたっての採血や検査をしますので

身の回りの整頓が終わったら、こちらの服に着替えてナースコールで呼んで下さい。」




「分かりました。お願いします。」




先生「では、失礼します」








頭を下げて先生が出て行った。








…さて、片付けるか…。







雑誌を棚に片付けて、洗面台に歯ブラシとコップを置き


5人で撮った集合写真を、棚の一番上に置く。









うん、いい感じ。









デビューして17年か…


この写真は、デビューの日にハワイで撮ったヤツ。



何も分からずに連れてかれたなあ…





10周年は本当にたくさんの人にお祝いしてもらって


アジアツアーも完走して

ハワイでもライブして


ほんとに色々させてもらったな…








…皆の事考えると、やっぱイイな。うん。









ナースコールを押すと、先生と看護婦さんが入ってきて


採血をして血圧、心拍数も計った。









先生「では予定通り、明日から抗がん剤治療を始めますので、今日はお休み下さい。失礼します。」





先生が出て行った途端


慣れないことに疲れた俺は、知らないうちに眠りについた。

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