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銀河巡礼

第7章  五の月




広場の先にあるロッコの靴屋

パン屋のおかみさん
バールの主人
ひとり暮らしの老婦人

毎日集い
無口な彼を相手に陽気なお喋り


けれど 初めてみる少年は
恥じらうように靴を差し出す

──おかあさんの靴をなおしてください…


シワに埋もれたロッコの目が
ふわりと微笑み
足元の灰色猫が伸びをする



五月の風が花を揺らす






(了)


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