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銀河巡礼

第7章  五の月




── ねえ、君
うちまで送ってくれるかい


声の主を探せば
小さな軒下にうずくまる灰色猫

彼は返事を待つことなく
僕の傘のなか
すたすたと歩き始める


着いた家は古い洋館
やさしい声が彼を呼び
それはほんの、三軒隣…


ポーチへ駆け込む彼の残したぬくもりが
佇む足元に残りつづける






(了)



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