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銀河巡礼

第7章  五の月




火の山より
眠りから醒めた龍が谷をわたる
夜霧を分け 梢をざわめかせ
にび色の体をうねらせながら

雷鳴がとどろく
水面が跳ねあがる
人々は固く扉をとざし 息をひそめる

けれど
龍は壊さず 傷つけず
魔をはらいながら海をめざす

龍はいつも
人々の祈りとともにいる






(了)


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