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銀河巡礼

第8章  六の月




梅雨の兆しもないままの

宙にかざしたグラスのなか

わき上がる無数の小さなアワ


耳をすませば

夏が来た、と声もはじける



無邪気な海も 戯れのテラスも

青いソーダ水の向こうに

浮かんではまた消えて…



足元に揺れる

紫陽花ばかりが季節を唄う






(了)


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