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銀河巡礼

第8章  六の月




── 間違いありません…

涙声に眠りが醒まされた


かつて
王妃の胸元さえ飾ったことのある私を
銀色の髪の婦人が抱きしめ
肩を震わせ泣いている


ひどく懐かしいその声が誰なのか
思い出すことは叶わない

けれど
ここが流転の旅の終点だと
時がささやく



私はもう、何処へもゆかない…






~ブローチ


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