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銀河巡礼

第9章  七の月




小さな桜貝ひとつ 宝石箱の片隅に


見つけたのは 私

あの人の残した小さな銀の箱のなか



もしも 貝の眠りを醒ましたなら

遠い思い出を語ってくれるだろうか


それとも

海に焦がれて涙をこぼすのか…



小さな桜貝ひとつ

真綿にくるみ直し 箱のなか






(了)



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