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銀河巡礼

第9章  七の月




雨垂れ 雨音 雨の匂い

窓の向こうはグレーの世界



頬杖をつきながら

ガラスに小さな円を描く

いくつも いくつも

描いては息を吹きかける


円が飛び交う部屋のなか

カーテンの青に満たされて

いつしか 海の底になる



円ははじけて 部屋のなか

私はひとり残される

窓辺で頬杖をついたまま



雨垂れ 雨音 雨の匂い…






(了)


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