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銀河巡礼

第10章  八の月




次の駅で降りてみようか…

思い付いて

バッグを肩に立ち上がる


せみ時雨にぬれる小さな駅

吹き上がる風が

潮の匂いを運んでくる



もし、あの木立の向こうに
海があるのなら…



弾かれて

僕は 坂道を駆け下りる


駆けて 駆けて 少年へ還ってゆく






(了)


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