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銀河巡礼

第10章  八の月




さく、さく

しゃりしゃり しゃり


縁台をつかの間の風が吹く



セミの声

わき立ちそびえる白い雲

ギヤマンの器から

雫がひとすじ 胸元へ滑り落ちる



かちゃかちゃ、かちゃん


黙々とくずす氷の山が

やがて

エメラルドグリーンの海を見せる






(了)


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