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銀河巡礼

第10章  八の月




払暁の街を

猫をしたがえ歩く黒ずくめの男


帽子の下に

朝露に濡れたような瞳を隠し

軽い足取りで向かうのは

男を待ちわびる少女のもと



やがて男は

満面の笑みを浮かべた少女へ

一輪のガーベラを捧げる


そう

闇色に身をひそめた男の名は

希望…



今 少女に 新しい時間が流れ始める






(了)


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