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銀河巡礼

第11章  九の月




赤茶けた大地に風が吹き

砂塵が色濃く 舞い上がる


うずくまり

やり過ごした先に見えるのは

丘の向こうに沈みゆく陽の揺らぎ

孤独なシルエットは馬だろうか…

遥か遠くにいながら

触れるほど近く思え手を伸ばす



あと少し…



指先の固さに目が覚めれば

読みかけの本が薄闇に横たわる






(了)


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