テキストサイズ

銀河巡礼

第11章  九の月




── いかがでしたか…

管理人は
玄関扉を施錠しながら呟いた


古城を思わせる屋敷
趣味のいいオーダーメイドの調度類
広い庭と 朽ちかけたあずまや


希望には叶うが
漂う陰鬱な空気はどうしたものか…



今回は見送ろうと
門に手をかけたまま振り向く私に
管理人は告げる


── この屋敷は住む者を選ぶのです



閉じられた門扉は
ぴくりとも動こうとはしなかった…






(了)



ストーリーメニュー

TOPTOPへ