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銀河巡礼

第3章 三の月




── そろそろ お茶にしましょうか…


胸に残る言葉を

なぞるように声にする



立ちのぼる香気と

器に揺れる早緑のおもて

志野の角皿には桜を写した練りきりを…


かたわらに

目を細めるあなたが浮かぶ



いただきましょう…



時が戻り 潤む景色をはらいつつ

あげた言葉を風がさらう






(了)



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