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果実

第1章 モデルの依頼

芙紗子は優一先輩からヌードモデルのオファーを受けた。
慌てて拒否する。
優一先輩に、自分の恥ずかしい姿を見せたくない。
可哀想なほど不安そうな顔をして、戸惑っている。 
「無理です、ヌードになるなんて!」
「明美ちゃんから聞いてない?」
「そんなの聞いてないです 無理、絶対無理……」
「出来ない?」
「ごめんなさい。出来ません」
裸になり、そのあられもない姿を見られてしまうなんて。
芙紗子が無理だと意志表示するのを見て、優一はため息をついた。

「嫌だって言うなら、仕方ない……バイト代はいいのに』
バイト代が提示される。
「え こんなに」
(そうよね、画家がヌードを描くのは普通のことだし、…優一先輩は美大に進むし…
バイト代はいいし )

芙紗子は喉から手が出るほどお金が欲しかったのだ。

「……わかりました。大丈夫です、やります……脱ぎます」
芙紗子は心を決め、言った。
「ほんとに?よかった!」
優一の顔に喜びの表情が浮かぶ。
「 じゃ 家で待ってるから」

数日後、ヌードモデルになるため、芙紗子は優一の家のアトリエを訪れた。

奥に進むと、豪邸だった。

優一が出迎えた。
「よく来たね 芙紗子ちゃん」
「はい 凄い家ですね」
案内されて芙紗子はアトリエに通された。
部屋の中は絵の道具がいっぱいで、いかにもアトリエという感じだった。

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