意地悪なご主人様の専属メイド
第9章 Love♡9
嵐のように現れて、台風のように
去っていた。
わたしはまだまわりをちゃんと理解はできていない
たぶん、口はぽかんと空いているはず。
「…ごめん、胡花ちゃん。
いろいろ混乱させて」
神母坂先生の、かすれたような声に反応する。
「いえ…」
「…知らなかった。美月が今年の夏から…」
「すまなかった。遊び心で脅かそうと」
「あとで葉平は俺に缶コーヒー奢って」
「そうだな。缶コーヒー1年分おごるわ」
「そんなにいらない。胡花ちゃん」
わたしの手に奏ちゃんの手が触れる。