意地悪なご主人様の専属メイド
第12章 Love♡12
「…大学時代から、ふたりとは知り合いだから
…胡花ちゃんと奏ちゃんが
離れていた五年の間、わたしが独り占め
してたことになるわね。」
んふふ、と美月さんは鼻歌を歌いながら
パソコンを見つめる。
「…でも、まだまだ立派な医者と名乗る資格は
ないわね。」
「…美月さん」
「母を救えなかった。
命を救えるのは限りがある。
悔しかったし、絶望した。奏真も。だけど、苦難を乗り越えないと
医者にはなれないの。
だから…」
言葉がかすれたタイミングで、わたしと向き合った
美月さん。