数珠つなぎ
第1章 あなたを救いたい
コンコン…
ドアを開けると数人の男性がバスローブに身を包み、思い思いに過ごしていた。
「智さん、ご指名です」
「ん、わかった」
シャワーを浴び終えたばかりなのか、タオルで髪を拭きながらこちらへ歩いてくる。
「やっぱ智さん、凄いっすね」
ソファーに深く腰掛けた指名待ちの1人が声をかける。
ヘラヘラしてんじゃねーよ。
今日指名ゼロなんだから、お前が行けよ。
悪いけど……智さん以外どうでもいい。
「流石、ナンバーワンっすね」
あげられるなら、そんなもん……お前にくれてやる。
でも前の下衆野郎の相手を終えてから30分も経たないうちに次の指名。
そして智さん目当ての下衆野郎も一人や二人じゃない。
だから智さんのナンバーワンの地位は揺るがない。
智さんが俺の元へ来るとドアを閉め、下衆野郎が待つ部屋へ案内する。
「ホント、いつも他人行儀だよな」
「仕事だから、仕方ないでしょ?」
わざとらしく拗ねて見せる智。
これから自分が望んでないことをするのに、その表情には辛さが微塵もない。
俺と智はこの店で知り合って仲良くなった。
智は俺が働く数年前からここで働いてる。
借金返済の為。
智の両親は会社を経営しているけど、この不景気で資金繰りが悪化。
銀行からも借り入れできず、ここのオーナーが経営していた金融会社から借金したらしい。
けどその場しのぎの借金は、両親をさらなる借金地獄へと突き落とした。
利息返済もままならず、智は両親の借金返済の為に身体を削っている。
「もうすぐ仕事、あがりだよね?」
「うん」
「飯でも行かない?」
「いいね!」
嬉しい誘いに間髪入れずに返事した。
「じゃあ、後でね」
智は首にかけていたタオルを俺に渡して、下衆野郎の待つ部屋へと入っていった。
また俺はそれを止めることも出来ずにだだ……見送った。
ドアを開けると数人の男性がバスローブに身を包み、思い思いに過ごしていた。
「智さん、ご指名です」
「ん、わかった」
シャワーを浴び終えたばかりなのか、タオルで髪を拭きながらこちらへ歩いてくる。
「やっぱ智さん、凄いっすね」
ソファーに深く腰掛けた指名待ちの1人が声をかける。
ヘラヘラしてんじゃねーよ。
今日指名ゼロなんだから、お前が行けよ。
悪いけど……智さん以外どうでもいい。
「流石、ナンバーワンっすね」
あげられるなら、そんなもん……お前にくれてやる。
でも前の下衆野郎の相手を終えてから30分も経たないうちに次の指名。
そして智さん目当ての下衆野郎も一人や二人じゃない。
だから智さんのナンバーワンの地位は揺るがない。
智さんが俺の元へ来るとドアを閉め、下衆野郎が待つ部屋へ案内する。
「ホント、いつも他人行儀だよな」
「仕事だから、仕方ないでしょ?」
わざとらしく拗ねて見せる智。
これから自分が望んでないことをするのに、その表情には辛さが微塵もない。
俺と智はこの店で知り合って仲良くなった。
智は俺が働く数年前からここで働いてる。
借金返済の為。
智の両親は会社を経営しているけど、この不景気で資金繰りが悪化。
銀行からも借り入れできず、ここのオーナーが経営していた金融会社から借金したらしい。
けどその場しのぎの借金は、両親をさらなる借金地獄へと突き落とした。
利息返済もままならず、智は両親の借金返済の為に身体を削っている。
「もうすぐ仕事、あがりだよね?」
「うん」
「飯でも行かない?」
「いいね!」
嬉しい誘いに間髪入れずに返事した。
「じゃあ、後でね」
智は首にかけていたタオルを俺に渡して、下衆野郎の待つ部屋へと入っていった。
また俺はそれを止めることも出来ずにだだ……見送った。